杉山城 


見学日 2001年12月8日 ニフティの城郭フォーラムのオフ会、その他にも2005年〜2015年と全部で10回以上行きました。
所在地 埼玉県嵐山町大字杉山(電車では東武東上線武蔵嵐山駅から徒歩約35分 )。
      徒歩での目安は玉ノ岡中学校になります。独立した岡上に城はありますので、道は分かり易いです。

 戦国時代の築城と思われるが、誰によっていつ築かれたのかは不明での謎の名城が杉山城です。遺構の保存状態も良く、また雑草なども取り除かれていて、良く整備されて大変見易い城になっています。城の規模はコンパクトながら、高低差を利用した守りやすい造りになっていて、馬出や枡形・横矢掛かりなど様々な技法が採用されています。この辺りの比企地方は、松山城を中心として、小田原北条氏と関東管領の越後上杉氏が1560〜1570年代に掛けて激しく争った場所です。ある人はこの城のことを、関東の土の城の見本市のようなもの(色々な城の守りの技法が取り込まれている)だと言っていました。いずれにしても土の城を代表する名城の一つです。
 杉山城は、従来は複雑で技巧的な縄張り等から、1540年代から1560年代に築かれ使用されたと云われてきました。小田原北条氏と越後の上杉氏が争った時期に北条氏の手によってこのような技巧的な城に造り替えられたと考えられて来ました。しかし今までの発掘調査によれば、後北条氏段階の城ではなく、今までの通説よりほぼ50年前の、山内上杉氏と扇谷上杉氏の争いの時代の城である可能性が高いようです(参考「戦国の城」(藤木久志監修 埼玉県立歴史資料館編集 2005年12月1日発行)。さらに発掘調査では、山内上杉時代に共通の発掘物があるそうです。また最近、この城に関する文献も発見されています。この城の築城年代に関しては、縄張り図による城郭研究者と、発掘調査による考古学研究者の間では大きな問題を提起しました。
 これに対して城郭研究家の中井均氏は、杉山城の築城は織豊大名ではないかとの意見です(「戦国時代の城」編者峰岸純夫・萩原三雄 高志書院)。その本のP110杉山城を考えるのところで述べています。 中井氏は杉山城を見ると、秀吉と柴田勝家が争った賤ガ岳の玄蕃尾城と大変良く似ている。天正18年の小田原攻めでは、秀吉方の前田・上杉などの北国軍は杉山城を通っているので、その時に陣城として改修し再利用したものと考えられる。以上の点から、現在残る城の形態から見るとむしろ年代は天正18年に下がるのではないかと述べています。
 色々な意見からますます謎の名城になっているようです。

 

 写真は案内板のある外郭入り口付近。郭は折れ曲がっていて、複雑な造りになっているのが分かります。雑草や木が取り除かれているため、複雑な郭の形がよく分かります。
 2007年12月にも行きましたが、さらに整備されていました。また、現在も発掘調査中のようで、ビニールシートで覆われている部分が何箇所もありました。
 東三郭から東二郭と本郭を見たところです。奥の一番高い所が本郭です。2007年12月に行った時には、城は更に整備されていて各郭の虎口などには、分かり易い復元図入りの説明板や、休憩する椅子などが出来ていました。
 南二郭の土塁と堀。見て分かるとおり、木が切り倒されて、遺構が大変見やすくなっています。当日行ったときには、整備ために切り倒された木がまとめて何本も置いてありましたので、年に何回かはそういう手間暇懸けた整備をしているのだと思います。
 南三郭手前にある馬出。前述の整備の為に全体的に土塁や堀の形がよく見えます。
 本郭で、ここが本丸です。後ろが少し盛り上がっていますが、本丸を囲む土塁です。本丸も単純な形では
なく複雑な形をしています。
 発掘調査では、この東側小口には、石積みも確認されました。また火災を受けた硯や皿などが見つかっていて、火災後は使用されなかったようです。
また、本丸の中には石の礫が集まっているところがあるそうです。多分攻撃用の石礫を集めていたのでしょう。当時は石礫は有力な武器の一つです。
    2015年4月に行った時の写真です。
これまで木々がまだ残っていた本丸東側の斜面の木々がすっかり切り取られ、とても見やすくなっていました。
写真は、右側の高い所が本丸です。その一段下が南二の郭、外郭、出郭と続いています。
    やはりこの写真も2015年4月に行った時の写真です。
写真は南二の郭から見た、東二の郭(写真左側)、その一段下が東三の郭(桜が咲いている木が郭の中に見えます)です。
こちら側から見ても、木々が切り取られ見易くなっているのが分かると思います。

参考 現地説明板等
    「埼玉の古城址」(中田正光著 有林書店新社)
    「戦国の城」(藤木久志監修 埼玉県立歴史資料館編集 2005年12月1日発行)。

  


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